【調査レポート】「音楽ライブ配信についての意識調査」の結果を発表
〜「LiveFans」ユーザーの音楽ライブファン約2,800人を対象に、コロナ禍における音楽ライブ配信の利用経験や満足度、有料オプションの利用意向などを調査〜
株式会社SKIYAKIは、グループ会社の株式会社SKIYAKI LIVE PRODUCTIONが運営するライブ・セットリスト情報サービス「LiveFans」と共同で、音楽ライブファン約2,800人を対象に「音楽ライブ配信に関する意識調査」を実施しました。
本調査は8月7日〜21日の期間にオンラインアンケートにて実施し、コロナ禍におけるライブ配信の視聴経験や満足度、ライブ配信時の有料オプション機能・サービスの利用意向などを調査しています。調査結果をまとめた「調査レポート」をご覧ください。
PDF版の調査レポートはこちらからダウンロードいただけます PDF
「音楽ライブ配信についての意識調査レポート」
【調査の目的】
音楽ライブファンにとっての音楽ライブ配信に対する意識や利用意向を調査することで、コロナ禍で辛い時期を耐えている音楽業界・ライブエンターテインメント業界にとって、ウィズコロナ/アフターコロナにおける音楽ライブ配信の将来性やファンの期待するサービスのあり方を模索する。
【調査の概要】
● 調査期間:2020年8月7日〜21日
● 調査方法:インターネット調査
● 調査対象:過去5年間で音楽ライブ・コンサート(ミュージカルや演劇等は除く)に行ったことがある方(「LiveFans」の登録ユーザー、及び、「LiveFans」のホームページやSNSを通じて回答を依頼)
● 有効回答数:2,822名
● 回答者の属性:
(性別)男性 40.6%、女性 59.0%、その他 0.4%
(年齢)10代 8.5%、20代 15.7%、30代 13.0%、40代 28.5%、50代 30.1%、60代以上 4.1%
● 調査内容:ライブ配信の視聴経験や満足度、リアルライブへの参加意向、ライブ配信の利用意向、ライブ配信時の有料オプションの利用経験・利用意向など
● 調査主体:Bitfan(株式会社SKIYAKI)、LiveFans(株式会社SKIYAKI LIVE PRODUCTION)
【調査結果のサマリー】
● 設問(1) ライブ・セットリスト情報サービス「LiveFans」のユーザーを中心にしたアンケート調査であるため、回答者の7割近く(66.3%)がコロナ禍以前には年間5回以上ライブに行っており(年間10回以上は40.3%)、熱心なライブファンの意見が色濃く反映される調査結果になっている。また、全回答者数2,822人のうち4分の3が自由記述式の質問にも回答しており、コロナ禍における音楽業界について熱心に考えていることが伺われる。
● 設問(2)(3) 回答者の約8割(80.7%)がコロナ禍以降に音楽ライブ配信を観たことがあり、全体の約3人に1人(30.7%)が5回以上観たことがあると回答。視聴したアーティストジャンルは上位から順に、「歌手・バンド」(77.6%)、「アイドル」(23.1%)、「オーケストラ・管弦楽」(5.0%)となっている。※括弧内の数字は「観たことがない」も含む全回答者に対する割合。
● 設問(4) リアルライブとライブ配信の比較評価では、「総合満足度」において、回答者の77.0%が「リアルの方が良い」と回答。「どちらの良さもある」の回答が20.5%で、ライブ配信を評価する回答はほぼ見られなかった(2.4%)。各評価項目においては、「ライブの臨場感」(92.9%)、「ライブの一体感」(93.6%)はほぼ全員が「リアルの方が良い」と回答し、「特別感や限定感」(69.6%)、「アーティストへの親近感」(68.5%)も「リアルの方が良い」が多数を占めた。「費用の納得感」は「リアルの方が良い」(44.2%)と「どちらの良さもある」(39.4%)に回答が割れた。一方、「参加しやすさ」は唯一、「ライブ配信の方が良い」(46.4%)が「リアルの方が良い」(18.7%)よりも回答が上回った。※括弧内の数字は「観たことがない」を除いた回答者に対する割合。
● 設問(5) リアルライブへの参加意向について、回答者の半数近くが「コロナの影響がなくなったら観に行きたい」(44.9%)と回答しているものの、「コロナ禍でも感染防止対策が整っていれば観に行きたい」(41.2%)と「コロナ禍でも自己責任としてすぐにでも観に行きたい」(12.2%)の合計は半数を超えており(53.4%)、リアルライブへの強い参加意向が見られる。
● 設問(6)(7) コロナ禍でのライブ配信の利用意向について、「場合によっては利用したい」(53.0%)と「積極的に利用したい」(36.0%)で約9割の回答者が「利用したい」と回答。コロナ後の利用意向についても、「場合によっては利用したい」(61.7%)と「積極的に利用したい」(19.9%)で8割以上の回答者が「利用したい」と回答。コロナ禍でライブが実施されない中での消極的な利用意向も一部には見られるが、設問(4)の満足度についての比較評価の結果と照らし合わせると、設問(5)でリアルライブへの参加を前提としながらも、二者択一ではない別の体験としてライブ配信を肯定的に評価していたり、今後にも期待をしている意向が伺える。
● 設問(8) 音楽ライブ配信に関わる機能やサービス等についての利用経験は、多くの回答者が「アーカイブ視聴」(58.6%)と「コメント・チャット機能」(46.7%)を利用したことがあると回答。「投げ銭・ギフティング」(19.4%)や「特典やグッズ付きチケット」(19.2%)の利用経験者はどちらも2割以下で、音楽ライブファンにとってはまだ一般的にはなっていない様子。※括弧内の数字は「観たことがない」も含む全回答者に対する割合。
● 設問(9) 音楽ライブ配信に関わる機能やサービス等についての今後の利用意向は、「特典やグッズ付きチケット」(56.9%)と「チケット購入者限定のグッズ販売」(52.7%)が2割以下の利用経験からは大きく伸びて半数を超えている一方、「投げ銭・ギフティング」(26.5%)と「アーティスト支援の価格上乗せチケット」(25.0%)の利用意向は利用経験と同様に低く、金銭的なアーティスト支援の意向は弱いことが伺われる。
● 設問(10) オプションの希望・サービスを利用する際に支払える金額について、低価格帯(〜1000円)の利用意向が比較的高いのは「アーティスト支援の価格上乗せチケット」「投げ銭・ギフティング」「自分で切り替えられる個別アングルカメラ」「副音声コンテンツ」「セットリストのリクエスト」「高画質視聴(通常配信が低〜中画質の場合)」。中価格帯(1000~3000円)の利用意向が比較的高く見られるのは「アーティスト支援の価格上乗せチケット」「限定グッズや特典の購入」で、高価格帯(3000円〜)でも利用意向高く見られるのは「限定グッズや特典の購入」のみ。「アーティストとの個別チャットやトーク」と「アーカイブ視聴期間の延長」の利用意向は全価格帯でばらけた。
【調査結果(選択式)】
設問(1)グラフ
設問(2)グラフ
設問(3)グラフ
設問(4)グラフ
設問(5)グラフ
設問(6)グラフ
設問(7)グラフ
設問(8)グラフ
設問(9)グラフ
設問(10)グラフ
【調査結果(自由記述式)】※回答を抜粋
自由記述回答を中心にした考察記事を「LiveFans」にて掲載していますので、ご覧ください。
設問(11) 音楽ライブ配信を視聴して、何が一番良いと思いましたか?(回答数:2,149件)
● 世界中の人がそれぞれの場所にいながらも同時に同じものを見ている一体感のようなものを感じることができるところ。(30代女性)
● 演者の表情が細かく見えて、エネルギーが伝わってくるのが良かった。(50代女性)
● 最前列にいるような視界の良さ。演奏の手元のアップなど。(40代女性)
● 自宅で自由に過ごしながらライブが見れること。(20代男性)
● SNSで友達と実況しながら見られること。(女性20代)
● 移動時間、出費。そして子供を誰に預けるかなどを考えなくてよい。(30代女性)
● 地方に住んでおり移動がないので参加しやすい。(50代男性)
● チケットが取りづらいアーティストが観れること。(40代男性)
設問(12) 音楽ライブ配信を視聴して、何が一番不満に思いましたか?(回答数:2,160件)
● やはり会場での生の音には叶わない、そこに行って直に空気を感じられないというフラストレーションは一層感じます。(50代女性)
● 画面越しはやっぱり寂しい。コールアンドレスポンスとか皆で一緒に歌ったりする空気感がないところ。(20代女性)
● テンションがあがっても部屋には一人なので寂しかった。(20代女性)
● 生の現場が恋しくなる。(20代女性)
● 回線状況によっては途中で映像が途切れたり音が止まったり、映像と音が合わなくなることがあること。(50代女性)
● PCやスマホだと画面が小さいのでちょっと物足りない。(50代女性)
● 音楽番組やDVDなど映像作品と変わらない。今や無料のコンテンツが多い中有料でライブの臨場感味わえないのはちょっと残念。(40代男性)
● 誘惑が多いので集中しづらい。スマホや飲み物いれたり宅配だったり。(30代男性)
設問(13) 今後の音楽ライブ配信に望むことはありますか?(回答数:2,115件)
● ステージに入り込むような臨場感満載のカメラワークでライブを見てみたい(30代女性)
● 全メンバーを見れる動画とマルチアングルカメラで目当ての人のみ見れる動画がほしい(30代女性)
● もう少しライブの時間を長くして欲しい(10代女性)
● 有料追加でも構わないのでアーティストの楽屋裏トーク部分があると嬉しいです(30代女性)
● 拍手や歓声、アンコールができたりと簡単なリアクションを取れてそれがステージと連動すると臨場感が出るのではないか(20代女性)
● VRで参加者もアバターで表示されてみんなで集まって参加している様になるといいと思う(30代男性)
● 劇場用に客席の音声を拾って、サラウンド的な、会場で見ている感を再現できると面白い。あとでパッケージ化されるものとは異なる内容の音声情報になるけれど、そこだけの特別感がでると思います。(50代男性)
● 1度きりの放送やアーカイブの保管期間があっても短いものばかりなので、有料配信に限ってはDL可能にして欲しいです。(20代男性)
● 大きな画面だとより臨場感が出るので、TV画面で観れる配信が増えると良いと思う。(30代女性)
● 音響の臨場感が無いので、有料の追加料金があってもいいのでカラオケ店などで音楽ライブ配信を観れるようになればいいと思います(30代男性)
● セットリストなどを変えて、料金をなるべく安く回数を沢山やってもらいたいです。(50代女性)
● 他会場同士の対バン中継や、オンラインフェス(20代女性)
● 仲の良いアーティスト同士のトークがあるライブ配信だったり、配信を生かしてダラっと楽しめるものもファンは嬉しいと思う。(30代女性)
● 価格は実ライブ観戦の1/3~1/2程度にして、ハードルをもっと低くすれば、今まで行かなかったアーティストも見れるようになるので、この点は是非検討を。(50代男性)
● 一回の配信料を低めに設定し、アーカイブやグッズ等で上乗せしていく制度をとって、それぞれが楽しいように参加できる工夫が欲しい。(20代女性)
● 諸事情でライブに行けない人もいると思うので、コロナ禍が過ぎ去っても配信と現地観覧の併用は可能な限りやってほしい(40代女性)
● ライブ配信があると、ミュージシャンも手軽に大勢に対してチケットを販売でき、会場設営や会場整理等も不要で、ラクできるので、リアルライブが衰退する原因になりかねません。(50代男性)
● やはり生ライブには変えがたいものがあるため、特に要望はない。(30代男性)
● 通常のライヴとは違うという事を踏まえた上での演出。無理にライヴ感や一体感などを求める事のないように。(40代女性)
● アーティストさんや携わってくれている関係者全ての方が安心安全であれば望む事はないです…(20代女性)