(前編)オムニチャネルで“ファンの熱量をカタチにする”サービスが生まれるまで。 bitfan開発の裏に秘めた技術チームの想いとは?

 

2018年2月3日(土)のリリース直後より注目を集め、SNSを中心に議論を巻き起こした「bitfan」は、コンテンツの閲覧、イベント参加、グッズ購入などファンの様々なアクションを計測し、そのアクションを固有のトークン「=熱量の証」として溜めることができるという、これまでにない仕組みで“ファンの熱量をカタチにする”ことを可能にしたサービスだ。

 

前例のない「bitfan」というサービスをリリースした背景には、代表宮瀬の創業当初からの想いと音楽を愛する開発者自身の原体験、そして「ファンとのより良い関係をカタチにしたい」という開発チームの熱い想いがあった。今回の対談<前編>では、bitfanリリースに至るまでの背景やリリース後の反響について振り返るとともに、開発チームの想いを聞いた。

<後編>はこちら

 

技術開発室 FanTechチーム(bitfan開発チーム)
役員 那須(左奥)/エンジニア 土居(左前)/デザイナー 中村(右)

 

<前編 目次>

 

■リリース前|追い風になったのは、ある海外アーティストの発信だった。

 
▼ブロックチェーンの仕組みを参考に
▼新しい価値を生み出せる「オムニチャネル」
▼契機となった海外アーティストの事例

 

■リリース後|“ファンの熱量をカタチにする”ことでクリエイティブな活動を支援したい。

 
▼全チーム横断で挑んだ、一大プロジェクト
▼支えとなったのはアーティストの発言
▼全てのファンに楽しんでもらえるルールを

 

 

対談 <前編>

 

■リリース前|追い風になったのは、ある海外アーティストの発信だった。

 
▼ブロックチェーンの仕組みを参考に

 

ーbitfanの開発が始まったきっかけは?

 

那須: 実は、今回リリースしたbitfanは、2012年のSKIYAKI立ち上げ当初から代表の宮瀬が抱いていた構想が元になっています。この3人の中で一番古株の私は2012年頃から宮瀬と一緒にいましたが、当初から「会員の行動履歴データを集約して、より付加価値の高いファンサービスを提供したい」と言っていました。それが今のbitfan構想となっています。

 

土居: 2018年2月にリリースしたbitfanの開発自体は、2016年12月頃から既に始まっていました。当時はブロックチェーンが話題に上がり始めていた時期ということもあって「ブロックチェーンが熱量ポイントの制御に向いているのではないか」ということで、ブロックチェーン技術の導入を検討するために、協会に加盟したりブロックチェーン大学校で技術を学んだりしました。それもあって、bitfanのシステムには(現在、ブロックチェーン技術を使ってはいませんが)ブロックチェーンの仕組みのいいとこ取りをしています。少なくとも、その思想の影響を受けていますね。

 

那須: bitfanの構想を実行に移していく段階では、まずbitfanをSKIYAKI EXTRA(既存プロダクト)の中に機能として入れるのか、全くの別プロダクトとして開発していくべきなのか、という議論から始まりました。

 

土居: 結果的には、この先(SKIYAKI以外の)ほかのシステムを組み込んでいくことも踏まえて汎用性を持たせられるように、既存プロダクトとは別にして開発を始めました。

 

 

▼新しい価値を生み出せる「オムニチャネル」

 

ーはじめてbitfanの構想を聞いたときはどのように感じましたか?

 

土居: bitfanの話を聞いた時、個人的には良い構想だと思いました。そもそも自分自身がSKIYAKIに入社した理由が、SKIYAKIの「アーティスト支援」という側面に惹かれていたからということもあって、アーティストが世の中に新しく価値を生み出していけるようなプラットフォームを開発できるというのは個人的にとても魅力的でした。

 

那須: 私は、2012年時点でbitfanの元となる構想を聞いていましたが、当時からその発想は面白いと思っていました。ですが、当時営業を担当していた私は、実際にアーティストに受け入れてもらえるかという観点では、正直なかなか難しいのではないかと感じていました。その頃は、実際アーティストが所属するプロダクションに話しに行っても、その構想を「面白いね」と言ってはくれるものの「使ってくれるか」という問いには厳しい反応が多かったですね。

 

土居: 2016年12月の開発を始めたばかりの頃に営業チームへbitfanシステムの説明をしたときにも、まだみんな腑に落ちていなくて説明後もイマイチな反応でした。なので既に開発は進んでいたものの、翌年6月にある程度仕組みができた時点で一旦開発をストップしていました。

 

那須: bitfanに対して、はじめはやはり私自身も「ファンをランク付けする仕組みってどうなんだろう」と、すんなり納得はできませんでした。そんな中で、私自身がbitfanを受け入れることができたきっかけとなったのは、社内ミーティングで「オムニチャネル」の考えが議論に上がった時でした。

 

当初のSKIYAKIは月額制のファンクラブしか運用しておらず、そこにファンランキングの機能がつくだけだと、ただファンに優劣をつけるだけなので特に面白さは感じませんでした。けれど、SKIYAKIの規模がどんどん拡大していくなかで、ファンクラブのプラットフォームにEC機能が加わって、チケット機能がついて、SNSと連携して、旅行もイベントもできるようになって…と、全てのサービスがオムニチャネル化していくことで「ファンの行動履歴を集約し、ビッグデータとして活用することができれば、ファンにこれまでにない価値を提供することができる!」と、社内のミーティングで宮瀬と話したときにようやくその面白さに気づくことができました。

 

(パソコン画面で2016年5月の経営企画ミーティングメモをみながら)「これが、オムニチャネルだ!」って当時の社内メモが残っています。

 

 

▼契機となった海外アーティストの事例

 

土居: その後、音楽業界内で契機が訪れたのは2017年の夏でしたね。その頃、某海外アーティストがファンの熱量に応じてチケットを用意するというサービスの提供を大々的に試みたことをきっかけに、これまで否定的だった人の中から肯定的にとらえる人も増えてきました。「この流れがあればいけるんじゃないか」ということで、bitfanプロジェクトが再び動き出しました。

 

そのタイミングで、さらに必要な改修を加えてランディングページも作成して、社内の営業メンバーにも納得してもらって、ようやく2018年2月の初めての導入にいたりました。

 

那須: この海外アーティストの件がWEBニュースで話題になったときには、社内がざわつきましたね。「開発はもうできてるんだよね?」「なんでうちではまだリリースしてないの?」「やはりどう受け入れてもらうかが課題ですよね」といった会話で盛り上がりました。

 

そのタイミングで、まずはbitfanを社内の営業メンバーに改めて説明するところから始めました。海外事例がかなり話題になってくれていたので、その時には社内でもスムーズに理解が進みました。そこから日頃お付き合いのあるアーティストさんにお話させていただく機会を作ってもらって、そこで強い関心を示してくれたのが岡崎体育さんでした。

 

岡崎体育 ランディングページ デザイン

マイページ デザイン

 

■リリース後|“ファンの熱量をカタチにする”ことでクリエイティブな活動を支援したい。

 

▼全チーム横断で挑んだ、一大プロジェクト

 

ーリリース当日、オフィスの様子はどうでしたか?

 

土居: bitfanのリリース当日は土曜日だったんですが、bitfanの特別対応のために出社していた各チームのメンバーでオフィス全体がバタバタしていました。休日に出勤することが珍しいということもあって、ちょっとしたお祭り感がありましたね。

 

那須: bitfanは、FanClubグループのプロデューサー、ディレクター、デザイナーと技術開発室の新規事業チーム(FanTechチーム)のエンジニア、既存サービスチーム(EXTRAチーム)のエンジニアとこれまでにないくらい多くの社員がチームを横断して取り組んだ新規サービスだったので、社内外のコミュニケーションや情報解禁のタイミングなどもこれまで以上に気を配りました。

 

中村: 無事リリースできた後には、感極まったメンバーで抱き合って喜んでいましたね。

 

▼支えとなったのはアーティストの発言

 

ー様々なご意見を多くいただく中で、肯定的な意見をもってくれる方もいましたよね。

 

那須: 辛辣な意見と向き合ったときにはかなり心も痛みましたが、良くも悪くもSKIYAKIのサービス単体でこれほど注目を集めたのは初めてだったので、正直たくさんのご意見をいただけたこと自体はとても嬉しかったです。今回、国内で前例のなかったことを一番はじめに勇気を持ってチャレンジしてくれた岡崎体育さんには非常に感謝しています。

 

中村: 批判的な意見が目立つ中でも、岡崎体育さんのほかにもbitfanの挑戦に対して肯定的な意見を発信してくれていたアーティストさんがいてくれたことはとても嬉しかったです。

 

那須: リリース直後にブログやSNSなどでアーティストやクリエイターからの肯定的な意見を見かけたときは、嬉しさのあまり泣きそうになりました。

 

 

▼全てのファンに楽しんでもらえるルールを

 

ー批判的な意見を持っている方の中には「ファンにランクをつける」という言葉に違和感を感じている方も多いようですが。

 

中村: 実はランクをつけるということ自体は、表現は違えど歌舞伎やオペラなどのチケットでは、S席、SS席といった形で行われていたりしますし、航空機のクラス分けなどもそうだったりと意外と身近に行われたりしているんですよね。

 

それに、bitfanでは「ランクをつける」というところに注目が集まりましたが、それ以上に「ファンの熱量をカタチにする」ということができるサービスです。それによってチケットの不正な高額転売を抑止できたり、これまで見えてこなかった熱量までもアーティストに届けられるようになるので、アーティストのクリエイティブな活動を支援していくことができるのではないかと考えています。

 

bitfanならお金を支払うという行動以外のアクションにも価値を生み出していくことができるので、そこの良さはこの先もっと伸ばしていきたいですね。

 

土居: 今後は、アーティストをどれだけ応援したか、いかに行動力を発揮したかなど、ファンがアーティストを想って示したお金以外の日常の行為をいかにポイント化していくかという視点を持って、いただいた意見を真摯に受け止めながらもルールづくりを強化していきたいと考えています。

 

中村: そうですね。たとえば「CDを100枚買う」などをストレートにカウントしないで「CDは●枚購入分のみポイント加算」というような、みんなが納得できるような具体的なルールを整えていくことが多くのユーザーに活用していただく上でより一層大事になっていきますよね。

 

(つづく)

 

[取材/編集] 山田 [撮影] 栗山

 

▼熱量をカタチにしよう『bitfan by SKIYAKI』

https://bitfan.skiyaki.tokyo/

 

▼SKIYAKIメンバー紹介

https://skiyaki.com/contents/127130

 

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